こんにちは、ネッチです。
この記事は虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会のアニメ第7話についての感想記事となっています。本稿はアプリ「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル ALL STARS」のストーリーに関するネタバレを含む場合がありますので予めご了承ください。
第7話は彼方さん回ということで、妹の遥ちゃんが登場し、姉妹の関係性に焦点が当たったお話だったように思います。
私自身、兄がいますので男女の違いこそあれど、年下の立場に立つ場面が多く、またその立場に慣れている面があるので、今回の近江姉妹のお話も妹の遥ちゃんに共感する部分が多かったなあと思います。
第7話を何度か見返している時でも、ふと気付けば妹(年下)の視点から彼方さんを見ていたりして、やっぱり小さい頃から染み付いた性格って変わりにくいのかなあと思ったり。
ということで、そんな年下気質のある私が近江姉妹のやり取りなどを見て感じたことをゆるーく書いていこうかな、と思います。
[目次]
認めてもらえると嬉しい
これは私だけなのかもしれませんが、弟や妹って、兄や姉に認めてもらえると凄く嬉しいと感じるものなんじゃないかな、って思います。
あまり歳が離れていると当てはまらないかもしれませんが、兄姉含めて幼少~青年の時代においては、子どもの身体的および精神的成長が大人に比べて速いので、1年や2年の成長や経験の差が兄弟姉妹の間に露骨に現れたりするように思います。兄や姉がいらっしゃる方は共感していただけるのではないでしょうか?*1
そんな風に兄や姉との間には高い壁が立ちはだかっていることを往々にして見せつけられたりするように思うわけですが、それにも関わらずなぜか兄姉とは張り合ってしまう、そんな傾向がある気がします。
例えば喧嘩なんてのはお互いに譲らないからこそ起こるのだと思いますが、年下が譲らないというのも、兄弟姉妹じゃなければなかなか無いように思います。私は(血の繋がっていない)先輩に譲らないなんてことあんまり無かったですね。
彼方さんの妹である遥ちゃんも、特に幼少期はお姉さんに敵わない分野があったとしても不思議ではありませんし、むしろそういう経験もしてて欲しいですね(何言ってんだ?)
高校生になった遥ちゃんが彼方さんに対して対抗心をむき出しにするというのは、遥ちゃんの日常の立ち居振る舞いからすると少し想像しづらいですが、仮にそういう対抗心は無かったとしても、それでもやっぱりお姉さんに自分や自分の行動を認めてもらえることは嬉しいんじゃないかなあ、と思います。年上には敵わない、年上はすごい、ということを心のどこかで思っていたりするからこそです。
そんな風に尊敬するお姉ちゃんに「自分のことを大事に思っていてくれてありがとう」と自分の行動を認めてくれたり、「2人なら支え合っていける」とか「スクールアイドルではライバルだよ?」と自分を対等な存在として認めてくれたら、嬉しいに決まってますよねぇ。そりゃあ、こんな顔にもなるよなあ、と共感の嵐です。
一方の彼方さんはというと、
彼方「遥ちゃんは、彼方ちゃんがこんな素敵なライブをしたのに今日でやめるなんて悔しいって思わないの?」
遥「それは...思う...」
第7話終盤、ライブ後の近江姉妹の会話
彼方さんの口からこんな風に「悔しい」という言葉が飛び出したのは、年下の対抗心を引き出すことに慣れているような、そんな印象も受けました。過去にもこういう風に遥ちゃんのお姉ちゃんに対する対抗心を逆手に取って、やる気を引き出すなんていうことがよくあったのかもしれませんね。
こういった言葉の端々からも、彼方さんは遥ちゃんに対してはやっぱり「お姉ちゃん」としての立場をこれまで培って来たことが現れているなあと思いました。
頼ること
そんな「お姉ちゃん」としての立場にこれまであり続けたであろう彼方さんが妹に頼ることを知った、というのが今回の第7話の肝になっているのかなあ、と思うわけですが、実際に妹に頼るという行動を起こすにはかなり”勇気”が必要だったんじゃないかなあと思います。
先程も申し上げた通り、年上は特に年少の時代に年下より優位に立つ場面が多いと思われますので、そういった、「年上はすごい」という兄弟姉妹間での"共通認識"があるものだと思います。
今まで妹に世話を焼いてばかりで妹に頼ろうとはしなかった彼方さん自身が、遥ちゃんに頼ることを決めるまでには、「自分(の気持ち)が変わる」という側面に加えて「妹に変わったところを見られる」という側面もあるので、なおさら行動に移すことが憚られてしまうのではないかなあと思います。*2
勇気の向こうに美しい空待ってるの
第7話挿入歌、Butterflyより
そんな固定されつつあった関係性を勇気を持って乗り越えることで、今まで見えなかった美しい関係性がそこに待っている、ということなのでしょう。
さて、そんな勇気を持って今までの姉妹関係を乗り越えた彼方さんですが、勇気を振り絞ったのは彼方さんだけだったのでしょうか?つまりは遥ちゃんも勇気を必要とされる場面があったのではないでしょうか?ということです。
璃奈「似たもの姉妹だと思う。」
彼方「似たもの姉妹?」
第7話中盤、彼方さんが同好会メンバーと話をするシーン
お姉ちゃんがこれまで背負ってきたものを、今度は私が背負わなければ、と考えた遥ちゃんでしたが、ちょっと考えるとかなり極端な考え方をしてるように思います。しずくちゃんが遥ちゃんの決意を確認する場面もありましたね。
最終的に第7話で出された結論である、お互いを支え合っていくという考え方にはならず、今度は妹の自分が全て背負う、と考えた遥ちゃんを想うと、妹に頼ることに慣れていなかった彼方さん同様、遥ちゃんの方もお姉さんに頼ることに慣れていなかったのかもしれないなあ、と思うのです。
確かにご飯を作ってもらうなど、世話を焼かれているシーンはありましたが、果たしてそれは遥ちゃん自身から彼方さんにお願いをした(=頼った)結果なのか?というと、私は少し疑問です。
つまりは、私が思うに、遥ちゃんは彼方さんの好意を無下にすることはしないが、自分から「あれをして欲しい」と頼ることはしてこなかったのではないかなあということです。毎日忙しそうなお姉さんを見たらなおさら頼みづらいですよね。
遥「んぅ〜.......夕飯のとき、作り方教えて...?」
彼方「!......もちろん!」
第7話終盤、姉妹で料理をするシーン
ここでの彼方さんの笑顔には、そんな遥ちゃんに頼られたことが単純に嬉しい、それに加えて頼られることが珍しかったからこそ嬉しさもひとしお、という風に読み取れそうですね。*3
信じてwe can fly
第7話挿入歌、Butterflyより
これからは遥ちゃん自身からお姉ちゃんに頼ってくれていいんだよ?もう過去のような失敗はしないから信じてね?という想いが込められているのかもしれません。*4
余談
今回の挿入歌Butterflyですが、曲名の通り蝶がモチーフになった楽曲のようですね。
スクスタでは夢の世界について何度か語っている彼方さんですが、「蝶と夢」と言えば胡蝶の夢を思い出しますね。Twitterでもちらほらお見かけしました。
初耳だという方のために、ざっくり胡蝶の夢についてまとめると、「たった今まで蝶になって飛んでいる夢を見ていた私と、夢の中の蝶はどちらが本体なのだろう?今の私は蝶が見ている夢の中の存在なのかもしれない。」そんなお話です。
そして、この言葉を残した荘子が言うには、「どちらが本体かを考えることよりも、どちらも肯定してそれぞれの世界で満足すればよい」ということだそうです。*5
わがままを叶えてくれる夢の世界をありがとう、という想いを「Marchen Star」に込めた彼方さんにとっては、夢の世界は肯定するしない以前に、現存する大切なものとして考えているように思います。
スクスタで語られたそんな彼方さんの想いが蝶という存在を通して「Butterfly」にも込められていたとしたらとっても素敵です。
あとがき
さて、いかがだったでしょうか。
今までのアニガサキでは担当キャラが中心となって、同好会メンバーもそのストーリーに関わっていくという流れで来ていましたが、今回第7話では遥ちゃんという同好会メンバーでない存在ががっつり本筋に関わってくるというお話でしたね。*6
今までそのような構図をとってこなかったアニガサキであったことを考えると、彼方さんを語る上で、それだけ妹の遥ちゃんという存在が重要なんだということなのでしょうか。
それにしても、近江姉妹って心が穏やかというか清らかというか、とにかく2人の関係性が美しいんですよね。あれだけぶつかり合ってもその日の晩には一緒にご飯を食べてるし、遥ちゃんに至っては笑顔で「ライブを見に来てね!」ですよ? どんだけ大人なんだって話ですよ。姉妹がお互いを愛し合っているからこそ成し得る関係性なんでしょうね。
そして次回はしずくちゃん回のようです。少し前からしずくちゃんのことが気になっていた私にとって(告白かな?)、不穏な空気を漂わせている次回予告がもう既に辛い笑 最後にはきっと笑顔を見せてくれることを信じましょう。
それでは今回はここまでといたします。最後までご覧いただき本当にありがとうございました。ではでは。
画像の出典:ラブライブ! 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 第7話(©2020 プロジェクトラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会)
*1:例えば腕っぷしの強さだったりずる賢さなんかですね。兄にはよく泣かされたものです(遠い目
*2:実際に私が兄に頼られる事ってめったに無いんですよね。お互いに幼少の頃から築いてきた関係性を壊そうとはしないというか。良い側面も悪い側面も含めて。
*3:ただ単に頬を赤らめる遥ちゃんが可愛かっただけという可能性もある。
*4:一応補足しておくと、私が遥ちゃんを引っ張って「I can fly」ではなく、頼り合って2人で「We can fly」だというのが全てを物語っていますよね。
*6:第6話の璃奈ちゃんのクラスメイトという例もあるが、遥ちゃんに比べると1話全体に占めるウェイトは小さいのかなあと思う。