ねっちりとした今日までの時間

ラブライブ!シリーズやその他のことについて書こうと思います

虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会アニメ感想第6話

 こんにちは、ネッチです。

 

 この記事は虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会のアニメ第6話についての感想記事となっています。本稿はアプリ「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル ALL STARS」のストーリーに関するネタバレを含む場合がありますので予めご了承ください。

 

 さて、第6話は璃奈ちゃん回でした。放送直後のTwitterでは私含め皆んなでボロボロ泣いてたような、そんなTLでしたね。そして、日を跨いでもちょくちょく流れてくる感想ツイートを見てまた涙ぐむという、そんな有様でした。

 

 もうそれこそ1シーンごとに感想を言っていきたい気持ちもあるのですが、あまり長くなってもなんですので、ポイントを絞って書きたいと思います。

 

  

はじめに

 今回私が注目したいポイントは最初の璃奈ちゃんの独白に端を発しています。

 

璃奈「(思いを伝えることって、難しい。私の場合は特にそう。『友達になりたい。』そんな一言を言うのにも、ハードルがある。)」

第6話冒頭、璃奈ちゃんの独白より

 

 璃奈ちゃんは思いを伝えることを難しいと感じており、実際にクラスメイトに「友達になりたい」と伝えることが出来ない。

 

 そんな璃奈ちゃんですが、同好会メンバーに対しては案外こんな場面もありました。

 

かすみ「えぇ~!?ライブ~!?」

璃奈「うん。」

せつ菜「それは急な話ですね。」

璃奈「色々足りないのは分かってる。でも、みんなに見て欲しくなって。それに、.....」

第6話冒頭、璃奈ちゃんが同好会メンバーにライブをしたいと伝えるシーン

 

 ジョイポリスでライブをする決意をし、そのことを同好会メンバーに打ち明けるシーンです。

 

 ところが、ここでの璃奈ちゃんはある意味で「思いを伝えている」とは考えられませんか?ライブをやりたいという気持ちだって、立派な「思い」ではないでしょうか?「思いを伝えるのは難しい」と言っていた璃奈ちゃんですが、同好会メンバーに対してはきちんと思いを伝えることが出来ているように思います。ちなみに、この後にも「パフォーマンスは自信が無いから教えて欲しい」とメンバーに伝えるシーンがあったり、他にも、

 

せつ菜「今度のライブでは、やらない方向でいきますか?」

璃奈「ううん、やる!今回は、出来ないからやらないはなしだから。」

第6話中盤、ライブに向けて準備をするシーン

 

こんな場面で璃奈ちゃんはMCをやるんだ、としっかりと思いを伝えています。

 

 更には侑ちゃん、歩夢ちゃん、愛さんが璃奈ちゃんの自宅を訪れた際に、璃奈ちゃんが「みんなにすごく感謝してる。私、頑張るよ!」と思いを伝えるシーンもありましたね。これ以外にも沢山こういったシーンはありました。*1

 

 では、冒頭の独白にあった「思いを伝えることって難しい」という言葉は一体どういう意味なのでしょうか?一見、この言葉と前述したメンバーとのシーンは矛盾しているようにも思えます。

 

 これに対する私の考えを述べさせていただくと、「思い伝えることって難しい」とは、「想い繋げることって難しい」という意味なのではないか、ということなのです。*2

 

 

Feeling

 まず、「思い」と「想い」について。これに関しては皆さんご想像通りかもしれませんが、この2つには若干のイメージの違いがあります。

 

 人によってイメージの差はあるかもしれませんが、私的には「思い」は「考えている内容」、少し幅を広げれば「論理的な思考、意志」といったイメージがあります。これに対し、「想い」は、「思い」よりももっと生身の「感情」に焦点を絞ったような、そんなイメージがあります。

 

 英語で言えば「思い」は「thought」、「想い」は「feeling」という感じでしょうか。「thought」は「think=考える」の親戚、「feeling」は「feel=感じる」の親戚だと考えるとよりイメージしやすいかなあと思います。

 

 そして、「思いを伝えることって難しい」ではなく「想いを伝えることって難しい」と申し上げたのは、前述した璃奈ちゃんと同好会メンバーの会話においては、璃奈ちゃんは「思い」を伝える意図はあっても「想い」を伝える意図は無かったのではないか、ということなのです。

 

 「想いを伝えることが難しい」と考えていても「想い」ではなく「思い」なら伝えることができる。だから、同好会メンバーに対して、「ライブをやりたい」「教えて欲しい」「MCもやりたい」と自分の意志を伝えることができたのだ、と考えることができると思います。

 

 実際、このように考えると次のシーンも(人によっては)ちょっと違った視点から見ることが出来ると思います。

 

f:id:imkt00:20201110231152p:plain

璃奈「みんなに、すごく感謝してる。私、頑張るよ!」

愛「ライブ、成功させようね!」

璃奈「!......うん!」

第6話中盤、侑、歩夢、愛の3人が璃奈の自宅を訪れるシーン

 

 このシーンは、侑ちゃん、歩夢ちゃん、愛さんの3人が、璃奈ちゃんの言葉に驚き思わず呆然としてしまうシーンであると考えています。逆に、驚いたということは、予想外だった、つまりこれまでこのような出来事が無かったということだと考えられます。

 

 そして、このような事というのは、璃奈ちゃんが「想い」を伝えようと働きかけてきた事、ということであります。

 

 これまで、璃奈ちゃんが「思い」を伝えようとすることは何度もあって、同好会メンバーもそれを受け止めて来た。でも、今回の璃奈ちゃんは感謝という「想い」を伝えようと働きかけて来た。この事に3人は驚いたのだと思います。

 

 

Connect

 そして、「伝える」と「繋がる」の違い。まず、この2つの単語に対する私のイメージとして、「伝える」は「一方向 いちほうこう」、「繋がる」は「双方向」という感覚があります。

 

 英語で考えると「伝える」は「convey」、「繋がる」は「connect」(=コネクト)のイメージを持っています。

 

 「connect」の「co」は一緒に、とか両側から、みたいな意味合いを持ちますので、双方向というイメージを感じ取っていただけるかなあ、と思います。

 

 これを基に私が考えたのは、璃奈ちゃんがクラスメイトに「友達になりたい」と言えなかったのは、友達になるためには思いを「伝える」だけでは不十分で「繋がる」ことが必要だということを璃奈ちゃんは(恐らく無意識下で)感じ取っていたからなのではないかということです。

 

 私個人の考えとして、友達になるにはお互いがお互いを求め合うことが必要なのだと思っています。*3つまり、双方向な思いや想いが送受信されていないといけないということです。そして、璃奈ちゃんも全く同じとは言いませんが、恐らくこのようなことを感覚として持っていたのだと思います。

 

 「伝える」ことは出来ても、「繋がる」ことはハードルがある。こいうことなのかなあ、と思います。

 

 また、先程も登場した侑ちゃん、歩夢ちゃん、愛さんの3人が璃奈ちゃんの自宅を訪れるシーンで、璃奈ちゃんは愛さんに抱きつかれ、大きく目を見開いています。細かいですが、2段階に分けて目を見開いているので相当驚いたのかなあと感じました。 

 

f:id:imkt00:20201110231945p:plain
f:id:imkt00:20201110231958p:plain

 

 璃奈ちゃんは普段から愛さんに抱きつかれている雰囲気がありますので、単に抱きつかれただけで、ここまで驚くのかな?と思ったり。

 

 そこで私的には、ここでの驚きは単に愛さんに抱きつかれたことに対する驚きだけでなく、感謝という想いを「伝えた」ことで、想いが「繋がった」ことに対する驚きも含まれているのかなあ思います。

 

 そしてこの「伝えた」ことで「繋がった」という経験が、「繋がる」ことに対する心的ハードルを下げ、後の璃奈ちゃんの行動を後押しする要因になったのかな、と思います。

 

璃奈「(そうだ、もう私は、この前までの私とは違う。)」

第6話中盤、璃奈ちゃんがライブに向け意気込むシーン

 

 そして、最終的に璃奈ちゃんは同好会メンバーだけでなく、広くみんなと繋がるべく、ライブの準備により一層気合を入れるということでした。

 

伝えることで繋がる

 璃奈ちゃんが歌にのせて伝えたこと。それは次の1フレーズに集約されていると思います。

 

さあコネクトしよ?

第6話挿入歌ツナガルコネクトより

 

 「さあ〜しよ?」という様に「コネクトしたい」という想いを"伝える"ことで"繋がれる"。そんな1フレーズなのかなと思います。

 

そして璃奈ちゃんがライブを終えた瞬間の言葉。それは次のようなものでした。

 

観客「わぁ〜!!!」

璃奈「ハァ、ハァ、ハァ...」

璃奈「(みんなと、繋がった...!)」

第6話終盤、ライブ直後のシーン 

 

 歓声に込められた観客の想い。璃奈ちゃんの「繋がった...!」に込められた想い。2つの想いは繋がったと言えるでしょう。それも全て璃奈ちゃんが「伝えよう」と決心したからなのかなと思います。

 

余談

 さて、ここでは本文から少し離れるお話を、詳しく書くことはしませんがちょこっと触れたいと思います。

 

 まずは彼方さんについて。

 

 今回の第6話でも彼方さんはお姉さんポジションに立っているシーンがいくつかありました。例えば

 

愛「愛さんも手伝う!」

歩夢「わ、私も!」

せつ菜「もちろん私もです!」

彼方「結局みんな応援するんじゃ〜ん。」

第6話中盤、璃奈ちゃんがライブ開催を打ち明けるシーン

 

 ここでの彼方さん、自分も応援する!とは言わずに、一歩引いた所で構えている感じなんですよね。他にも

 

彼方「ほんとはライブ、楽しみにしてたんじゃな〜い?」

第6話中盤、メンバーが璃奈宅を訪れることを決めるシーン

 

こんな果林さんにかけた言葉からも、一歩引いている印象を感じられるように思います。

 

 近江家ではお姉さんである彼方さんは、自分が妹のような存在である璃奈ちゃんを応援することは、改めて言葉にするまでもなく、当然のこととして考えているのかもしれません。

 

 そんなお姉さん感を醸し出している彼方さんも内心璃奈ちゃんのライブをとても楽しみにしているのかも?なんて妄想すると、可愛く思えて仕方がありません。

 

 

 最後に別のシーンからもう一つ。

 

f:id:imkt00:20201110232645p:plain

第6話終盤、ライブ直前のシーン

 

 ここでの璃奈ちゃんの様子をよく観察すると、「床に映る自分を見る」→「真顔のボードが笑う」→「璃奈ちゃんの『えへ♪』」という流れになっていると思います。

 

 このシーンを見た瞬間、私は「笑うから楽しいんだ」のフレーズを思い出しました。

 

 オートエモーションコンバート機能(?)が正常に働いていれば、璃奈ちゃんが楽しいと感じたからボードが笑う、という順序になるのでしょう。

 

 しかし、私には、それまで緊張からなのか真顔になっていたボードから笑顔のボードに切り替わる動作があまりにあっさりしすぎているというか、ヌルっとしているというか、表現が難しいのですが少し異様にも思えました。それこそ、璃奈ちゃんボードがひとりでに笑ったかのように。*4さらには、床に映る璃奈ちゃんボードを見た"後になって初めて"璃奈ちゃんが放った「えへ♪」の一言。

 

 私には、璃奈ちゃんが床に映るボードの笑顔を見て、逆に璃奈ちゃんの心に「楽しい」が芽生えた。そんな不思議な出来事が起こっているような気がいたしました。*5

 

 

あとがき

 さて、いかがだったでしょうか。

 

 今回の感想記事は、個人的に、書こうと思えばいくらでも長く書けてしまうような感覚があって、どの部分に焦点を当てるかが難しかったなあという印象があります。(なんだかんだ長くなってしまいましたが...)

 

 第6話の解釈を大別すると、璃奈ちゃんの「表情」と「感情」の2つの側面から考えることが出来るような気がしています。

 

 今回私は「感情」の方に焦点を当てて考えてきましたが、ゆくゆくは「表情」の視点からも考えてみたいなあと思っています。

 

 さて、次回は彼方さん回のようです。これまでのアニガサキでは担当キャラのスクールアイドルに対する考え方や動機なんかが描かれてきたように思うわけですが、彼方さんのそれはどのように描かれるんでしょうか?

 

 何やら次回予告に初めて見かける女の子が登場していましたので、その子がキーになるような描かれ方をするということなんでしょうか?楽しみですね。

 

 それでは今回はここまでといたします。最後までご覧いただきありがとうございました。ではでは。

 

 

画像の出典:ラブライブ! 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 第6話(©2020 プロジェクトラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会)

*1:例えば、冒頭の「お友達と行って下さい。」、歩夢ちゃんとかすみちゃんのMC例を見て「難しそう...」などなど挙げきれないほどあります。言ってしまえば、会話をすること自体、思いを伝えることの連続だと考えられないでしょうか?

*2:これ以下のお話は、璃奈ちゃんの表現が間違っているという指摘をしたいのではなく、あくまで我々が璃奈ちゃんの言葉を補完して、より鮮明に璃奈ちゃんの心情に迫っていこうという意図のもと書かれていますので悪しからず。

*3:友達の定義って難しいですよね。私自身、昔から友達の定義を考えたりしていて、お互いを求めることやどうでもいい事を話せるのが友達である、なんて考えていたりします。でもお互いを求め合っていることを確実に知る方法なんてあるのか?という疑問もあります。人の心の中は覗けないですしね。そうすると、自分が友達だと思っていれば友達であるともいえるのかな、と思ったり。そう考える方が気持ち的には楽です。本文とは相性が悪い内容ですが、隠さず記しておこうと思います。

*4:実際、ライブ直後の「璃奈ちゃんボード、にっこりん♪」の決め台詞の部分では、表情が変わる瞬間に「ピコッ」という効果音が付いています。

*5:相当な技術力を持つ璃奈ちゃんが設計したであろう璃奈ちゃんボードがこのような不可解な動作を起こしたことは、科学では説明がつかない複雑な人間の感情や人同士の関わりといったものに対し、同好会一の科学技術を持つ他でもない璃奈ちゃんが歩み寄ったというようにも読み取れそうです。