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虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会アニメ感想第10話

 こんにちは、ネッチです。

 

 この記事は虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会のアニメ第10話についての感想記事となっています。本稿はアプリ「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル ALL STARS」のストーリーに関するネタバレを含む場合がありますので予めご了承ください。

 

 さて、第10話はこれまでとは少し違った構成のお話だったように思います。例えばライブシーンが無かったことが大きな違いでしたね。侑ちゃん回(?)ということなので、全体曲があるかもという可能性はあったものの、概ね予想通りという感じでしょうか。

 

 そして、終盤で「スクールアイドルフェスティバル」という単語が登場しましたね。スクスタのストーリーを読んできた立場としては「うおおお!!!」という胸熱感情半分、「あー、まあそうかあ...」という複雑な感情半分でした。

 

 というのも、スクスタと同じような道筋を辿るのであれば、やっぱり栞子ちゃんのことが頭を過るんですよね。スクスタにおけるスクールアイドルフェスティバルは栞子ちゃんに依るところがかなり大きいからです。

 

 もう第10話まで来ちゃいましたし、ここから栞子ちゃん登場というのもちょっと無理があるのかなあ、などと思う訳ですが、アニガサキでは栞子ちゃん無しでスクールアイドルフェスティバルの開催にこぎつけるんでしょうか。

 

 スクールアイドルフェスティバルがどう開催されるのか(されないのか!?)は今後のお楽しみにすることにして、この記事では第10話の中で特に私が気になった歩夢ちゃんについて、考えたことを書いていこうと思います。

 

 

 

はじめに

 これまで、スクスタにおいては主人公である「あなた」に対する愛が重いと言われてきた歩夢ちゃんですが、アニガサキにおいてはそこまであからさまに(若しくは印象的に)描写されて来なかった一面なのかもしれません。

 

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第10話中盤、侑ちゃんと歩夢ちゃんが食器を洗うシーン

 

 例えば第2話のかすみちゃんと侑ちゃんの掛け合いに過剰にも思えるほど反応する歩夢ちゃんが描かれていましたが、流れとしては重要なシーンというよりは多少ネタ的に扱われている印象を受けていました。スクスタなどで「歩夢ちゃん=重い」(誤解を招く表現)という認識を持っていた私としては、こういったシーンから愛の重さが垣間見えているなあ、とか思っていた訳ですが、逆に前情報が無い状態でアニガサキを見ている方からすれば、思わず素通りしてしまいそうだなあとも思います。

 

 さて、そんな歩夢ちゃんが今後どのようにして侑ちゃんとの関係に折り合いを付けていくのか*1、ということが気になって私は夜しか眠れません(使い古された表現)。

 

 そこで、歩夢ちゃんが今後をどのように歩んでいくかについて、スクスタでの歩夢ちゃんを参考に少し考えて(妄想して)みました。*2

 

 

あなたがいるから私も輝ける

 まず、スクスタにおいて歩夢ちゃんは「あなた」に誘われてスクールアイドルを始めたんでしたね。「夢への一歩」で歌われている通り、「あなたがいるから私も輝ける」というスクールアイドルで、逆に言えばあなたが居ないと少し心もとない、というのが歩夢ちゃんなのかもしれません。

 

 そんな歩夢ちゃんのスクールアイドルとして目指す場所、つまり夢はどんなものかというと、歩夢ちゃんからは明言しないんですね。


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 これは、「あなた」が歩夢ちゃんに、「どんなスクールアイドルになりたい?」と尋ねた後の答えなのですが、このエピソードはこのセリフで終わってしまい、次のエピソードからは別のお話が始まるんですね。

 

 つまり、歩夢ちゃんは自分がなりたいスクールアイドルは、「あなた」が好きなスクールアイドルである、という風に解釈できるのかなと思います。*3

 

 そうすると、歩夢ちゃんが随所で口にする"夢"というのは、幼馴染に依るところが大きいように思うのです。幼馴染と夢が紐づいているとも言えますね。

 

 この歩夢ちゃんとあなたの関係がスクールアイドルフェスティバルの開催に向けての段階で一悶着起こしてしまいますが、スクールアイドル(とあなた)が好きという気持ちを再確認し、解決に向かって行くということでした。

 

 そして、そんな歩夢ちゃんがファンとの交流を通して、次第に自分自身のことに目を向け、自信を持つようになっていったことで、「Say Good-Bye 涙」として「あなた」からの一人立ちを歌った、というのが大まかな流れかなあ、と思います。

 

 さて、そんなスクスタでの歩夢ちゃんの物語を考えると、アニガサキでの歩夢ちゃんは少し様子が異なっているように思います。

 

歩夢「今はまだ、勇気も自信も、全然だから。これが、精一杯。私の夢を、一緒に見てくれる...?」

第1話終盤、挿入歌後のシーン

 

 スクスタとアニガサキの重要な違いだと思うのは、歩夢ちゃんがスクールアイドルを始めるきっかけの違いです。スクスタではあなたに誘われて、というのが始まりで、歩夢ちゃんの夢は幼馴染と紐付いているわけでした。ところが、アニガサキではせつ菜ちゃんのライブを見て自分から侑ちゃんに告白する形で始まりましたから、これは歩夢ちゃん自身を拠り所とする夢だと言えると思います。*4

 

 私の夢を一緒に見てくれる?と言っているのは、つまりは(侑ちゃんに依らずとも)私の夢はそこあるという風にも解釈できるのではないか、ということです。

 

 この、自分の気持ちがスクールアイドルの始まりになっていたということが、今後重要になってくるんじゃないかな?と思います。

 

 例えば、アニガサキの歩夢ちゃんはファンとの交流というイベントが無くとも、既に一人立ちのきっかけに成りうるものを持っているんじゃないかなどと思うわけです。

 

 

虹色Passions!にのせて

予感のなか 踏みだすよ
最初の一歩

虹色Passions!/虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 より

 

 これはアニガサキOPの楽曲の一節ですが、ここの歌詞を歩夢ちゃんが歌ってるんですよね。まるで第1話の歩夢ちゃん自信を歌っているようです。

 

溢れだす この気持ち
胸の奥 もう止まらない

虹色Passions!/虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 より

 

 第1話で自分に素直になりたい!と侑ちゃんに告白するシーンがありましたね。この時の歩夢ちゃんの胸中には溢れんばかりの想いがあったはずです。

 

 今回の第10話で、侑ちゃんをせつ菜ちゃんに奪われたことで少し不穏な空気を醸し出していた歩夢ちゃん。スクールアイドルフェスティバルの開催に意気込む侑ちゃんを見て複雑な表情を見せているシーンもありました。侑ちゃんが皆んなとの輪を広げ、どんどん遠くへ行ってしまうような感覚を覚えているのでしょうか。スクスタと異なりこの時点から歩夢ちゃんの中にはスクールアイドルに対する強い想いがあるとは言え、侑ちゃんが歩夢ちゃんにとって大きな存在であることに変わりは無いのかもしれません。

 

もしも不安になったら (Got your back)
思い出して欲しいよ
ココにいる だから

虹色Passions!/虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 より

 

 この楽曲を歌っているのは同好会メンバーですが、この部分の歌詞を侑ちゃんから歩夢ちゃんに向けた歌詞であるとこじつけると、なんだか感慨深いです。

 

輝くよ いつまでも
胸の奥 色褪せない

虹色Passions!/虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 より

 

 今は侑ちゃんが遠くに行ってしまうことを不安に感じているのかもしれませんが、それでも歩夢ちゃんの中に生まれたトキメキはきっと色褪せていないはずです。スクスタであなたとの一悶着を乗り越えられたのも、スクールアイドルが好き!という気持ちが1つの重要な要素*5になっていたので、アニガサキでもあのとき感じたトキメキを思い出すことがキーになるんじゃないかなあ、と思います。*6

 

余談

 これは第10話とは少し離れたお話になるのですが、第10話をきっかけに考えた事を少しだけ。

 

 それは、歩夢ちゃんが「あなた」ないしは侑ちゃんから一人立ちすることは望ましいことなのか、ということです。

 

 上ではさも当然のように一人立ちに向かって行く、という流れで書きましたが、そもそも一人立ちしなきゃいけないのか?ということが少し引っ掛かってはいたんです。

 

 もちろん、今まで幼馴染をスクールアイドルの動機の拠り所としていた彼女が、今度はファンや自分のためにスクールアイドルをする、という流れは美しいようにも思いますし、実際スクスタではそういった流れになってきているとは思います。

 

 ただ、そうなると、幼馴染から一人立ちした歩夢ちゃんは一体どういうスクールアイドルになっちゃうんだろう、とも思うのです。いわゆる幼馴染属性を(失うわけではないが)必ずしも必要としなくなった歩夢ちゃんのらしさと言いますか、個性の強い同好会メンバーのこともあって、そのらしさが霞んでいくような気もするのです。

 

 歩夢ちゃんは一歩一歩夢に向かって歩んで行くスクールアイドルで、そこが彼女の個性なんだよ、というのはもちろんのことですが、じゃあその夢ってなに?というと、これまた幼馴染が関わってくるのかなあと。

 

 特にスクスタではなりたいスクールアイドル像は「あなた」に依存しているし、PDP時代ではあなたの夢を叶えること自体が彼女の夢だったようです。それに加えて、アニガサキでは彼女の夢が侑ちゃんと紐付いていないかと言えば、完全にそうとは言い切れないと思うんですね。侑ちゃんが一緒に夢を見てくれるから、私も夢を追いかけられる、という印象を持っています。

 

繋いだ手 その温もりが
胸いっぱいの勇気をくれたから

Dream with You/上原歩夢(CV:大西亜玖璃

 

 そうすると、歩夢ちゃんが"完全に"幼馴染から一人立ちするということがあれば、歩夢ちゃんが夢を持つ理由や追いかける動機づけを失ってしまわないか、という気がするのです。*7

 

 それはなんだかなあ...と思った私が現時点でどう考えているのかというと、「幼馴染から一人立ち」というのは、ある時点できっぱり完了してしまうようなものではなく、むしろ一人立ちという1つの道筋を辿っていく過程そのものが歩夢ちゃん(のスクールアイドルとしての姿)である、と言えないかなあと。

 

 そう考えると、一歩一歩夢に向かって、という彼女の言葉と合わせて理解することができますし、(ある程度)将来性のあるスクールアイドル像になっていそうだなあと思います。

 

 また、「幼馴染からの一人立ち」は単なる1つの過程(側面)であるとも考えられ、彼女が新たな目標を見つけた時には、さらなる物語が幕を開けるのかなという風にも思います。*8

 

 

小ネタ

 第1話挿入歌の「Dream with You」のMVで気になっていたシーンがあったんですよね。それも、放送当時からずっと。

 

 

 そのシーンがこちら。

 

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ラブライブ! 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 第1話(©2020 プロジェクトラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会)「Dream with You」より

 

 今の段階で決めつけるのは早計かもしれませんが、やっぱり侑ちゃんと繋いだ手が第10話あたりから離れていってしまうことを暗示していたのかなあ、と考えたくなります。

 

 そして、もう1つ個人的なここ好きポイント。

 

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第10話中盤、1年生が躓くシーン

 

 ここでの璃奈ちゃん、ずっこけた直後で貼り付けてある顔の表情が変わってるんですよね。実際こんなことが可能なのかを考えるのは野暮なので止めておきますが、布の下に何枚か用意してあるのかなとか考えると可愛いです。急いでテープで貼り付けてるのか、予めテープを紙に貼った状態で用意してあるのかとか。

 

 

あとがき

 さて、いかがだったでしょうか。

 

 第10話をきっかけに歩夢ちゃんについてあれこれ考えた事を纏めてみましたが、少し迷走してしまった感があるので、読み辛かったかもしれないですね...

 

 しかも、振り返ってみると第10話自体に関して触れている部分が少なすぎるような...これは第10話の記事としてどうなんだということを思ったり思わなかったり。

 

 まあ、それでもスクスタやPDP時代にまで遡って歩夢ちゃんについて考え直すきっかけにもなったので、そこは良かったなあという気持ちです。

 

 また、この記事を通して個人的に大きな収穫があって、それは脚注6に書いた事に気が付いたことです。スクスタとの明確な違いは歩夢ちゃんの夢の発生源の違いですから、今後のキーにならないかなあ、と。

 

 そして第11話はいったいどんな展開になるんでしょうね。何しろ第10話で描かれた歩夢ちゃんは、侑ちゃんとその行動に対して何を思ったのかがはっきり言葉にはされていないので、どんな展開になるかはまだまだ読めない部分があります。

 

 それでは、今回はここまでにいたします。最後までご覧いただき、本当にありがとうございました。ではでは。

 

画像の出典:ラブライブ! 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 第10話(©2020 プロジェクトラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会)

*1:そもそも折り合いを付ける必要があるのは、アニメが王道展開に進んでいくということが前提になっているかもしれないですね。逆に折り合いを付けないという可能性が無きにしもあらずということです。なんとなくその線は薄そうですが。

*2:アニガサキでもスクールアイドルフェスティバルという概念が登場したので、今後はスクスタに近い形で話が展開するんじゃないかなあ、と踏んでのことです。

*3:「スクールアイドルを応援して、最高のライブでいっしょに盛り上がって、その感動を世界中の人たちに届けたいっていう、あなたの夢と――
そんなあなたの夢をいっしょに叶えたいっていう、私の夢。」上原歩夢ちゃんは夢に向かって努力する頑張り屋!貴重なコメント収録前の様子をお届け[スクフェスPDPメンバー] [ファミ通App]

 これはPDP時代における歩夢ちゃんですが、当時の歩夢ちゃんの夢もあなたに依るものなんですね。

*4:この第1話で描かれたスクスタとの違いには、放送当時、相当興奮したのを覚えています。「新しい物語が始まるんだなあ...!」と(勝手に)感じていたことが、冒頭で申し上げた「あー、まあそうかあ...」という感情の原因でもあったりします。「結局収束しちゃうかあ...」というね。まあ全く新しい物語の方が絶対に良いとも言えないとは思います。

*5:まああくまで1つです。他にも無くてはならなかった要素はあるでしょう

*6:幼馴染が離れていくことと、歩夢ちゃんが夢を失うことは、アニガサキにおいては因果関係は無いかもしれませんね。逆にスクスタではあったと考えています。当初はこの2つをごっちゃにしていた私ですが、ここは切り離して考えた方がいいような気がしています。ただ、アニガサキの歩夢ちゃん自身がこの2つをごっちゃにしてしまう、という展開は有り得そうだとも思います。

*7:じゃあ「Say Good-Bye 涙」はいったい何なんだ、と言いたくもなりますが、21話では、ファンとの交流が増えても「あなた」には近くで支えてもらいたいといった会話はしているようで、完全なる一人立ちを歌っている訳ではないのかも?と考えています。もしくは、私が考えているよりも歩夢ちゃんはずっと大人で,もう既に成長して昔の歩夢ちゃんではないんだよ、ということなのかもしれないです...

*8:例えばキズナエピソードのファンの応援に応えていこうとするお話もある意味そうなのかもしれません。