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ラブライブ!シリーズやその他のことについて書こうと思います

ラブライブ!スーパースター!!第10話感想

 こんにちは、ネッチです。

 

 今回も感想書いていきましょう。第10話です。

 

楽曲に対する課題

 今回の地区予選では、「出場校が多いために楽曲に対する課題が課される」ことになったそうで。つまりは出場校をふるいにかけるために課題が課されたということですね。

 

 この「ふるいにかけるための楽曲に対する課題」というのがなかなか面白いなあと思いました。

 

 というのも、こういった課題を課すことで、「この課題に対応できたグループが評価される」という図式が出来上がるわけですよね。

 

 Liella!が出場する南西地区の大会での課題である「ラップ」そのものに意味があるかどうかは別として、少なくとも「指定されたテーマの楽曲でパフォーマンスできること」あるいは「幅広いジャンルに対応できる」ということが評価の1つの基準になっていることは確かだろうな、と思います。ふるいにかける基準になるわけなので。

 

 裏を返せば、1種類の表現を突き詰めていくようなグループはラブライブ!という大会では不利になり得るなあと思ったわけです。

 

 ただまあ、そういった課題を課すことが悪なのか、というとなんとも言えない気がします。自分はラブライブ!という大会は野球やサッカーなどの全国大会と同じように教育的な側面が含まれることを想定(というか期待)しているのですが、その観点で考えるとテーマを指定するのは少し酷な気もするのです。教育的にはむしろ自由な表現を推奨したりするんじゃないかなと。

 

 ただ、街中のビジョンに映し出されたり、有名グループはSNSでも注目が集まるなど、世間一般にもスクールアイドルの存在は知られていることが窺えますので、もはやラブライブ!という大会が選手のためだけに行われているのではないような雰囲気を感じたりはします。

 

 つまり、一般人にも見て楽しんでもらう、という目的があるのであれば、各地区ごとに楽曲のテーマを指定するのも一応頷けるのではないかな、とは思います。観客としては色んなテーマがある方が飽きなさそうですよね。

 

 ま、あるいはスーパースター!!の世界では指定されたテーマに沿って表現を考えたり行ったりすることに教育的な意味が見出されているのかもしれませんが。

 

 

全員がセンター

 かのんちゃんの家での4人の会話について。

 

かのん「でも、この5人で本当に勝とうと思ったら、全員が同じくらい力を見せて、全員がセンターだってくらいの気持ちがないとダメだと思う。」

第10話中盤、かのんの家での会話

 

 μ'sのリーダー=センターが誰か、という話になった時に穂乃果ちゃんが出した答えと似ているような気がしますね。「全員がセンター」というワードに反応せざるを得ませんでした()

 

 ただ、この全員がセンターの気持ちじゃないとダメ、という考え方って実際とても大切なことだと思うんですよね。見た人をアッと言わせるようなパフォーマンスをするためには。

 

 自分の経験的にもこれは本当に痛感しているところで、「自分よりあの子の方が上手だし...」とか「自分は後ろだし...」ということを考えながらステージに立っている人って、観客席から見た時にすぐ分かってしまうんですよね。目線が下がっていて覇気を感じなかったり。自己紹介お疲れ様です(泣)

 

 で、これはLiella!みたいに少人数だから、というわけでもないと自分は思っていて、大人数だろうが少人数だろうが、気持ちが退けている人はすぐバレるよなあと。

 

 そんなわけで、かのんちゃんの「全員がセンターだってくらいの気持ち」という言葉は、単なる慰めの言葉とか気持ちの問題というだけではなく、実際のパフォーマンスに大いに影響する要素なので、既にこの事を意識しているLiella!は強いグループになっていくんだろうなあと思ったのでした。

 

 

沢山のスクールアイドル

 ノンフィクション!!披露直前のシーンについて。

 

かのん「私達Liella!が沢山のスクールアイドルと繋がって、歌を響かせるんだ!」

第10話終盤、中庭での5人の会話

 

 ここのかのんちゃんの言葉ってなかなか意味深かなあと思います。

 

 「繋がる」というワードは、前回登場したLiella!の由来を意識したものなのかな?という気はするのですが、「沢山のスクールアイドル」という言葉がこれまでのLiella!を考えると少し趣の違う言葉だなと思いました。

 

 沢山のスクールアイドルと繋がって歌を響かせる、ってどういう意味でしょう?なんとなくですが、他のスクールアイドルのパフォーマンスに刺激を受けることで自分たちも知らないような力を発揮する、というイメージなのかな?と思います。*1

 

 他のスクールアイドル達を単なる敵ではなく、「繋がる」存在として捉えている点がなんとも達観しているような気がしました。

 

 やっぱり、他のパフォーマーを尊敬したり、刺激を貰える存在として認識できるというのはかのんちゃんの強いところだなあと思います。唯我独尊のチームが自分たち自身を客観的に分析するのは難しいだろうなと思うからです。結局、表現を競う場では他者から評価されるわけなので、自分たちが下す評価ではなく他者からどう評価されるかを常に意識しなきゃいけないのかなと思っています。

 

 

スクールアイドル辞める

 すみれちゃんについて。

 

すみれ「あの衣装は返すわ。それでも私にセンターやれっていうなら、スクールアイドル辞める。」

かのん「えっ...」

恋「そんな...」

可可「あなたのスクールアイドルへの想いはそんなものなのですか!ラブライブ!で光を手に入れるのではなかったのですか!」

すみれ「勝たなきゃいけないんでしょ!!」

第10話終盤、屋上での5人の会話

 

 いやー、このシーン険しすぎます。今回険しいシーンは多かったですが、このシーンは特に胸が痛みます...

 

 「スクールアイドル辞める」。この言葉って、スクールアイドルプロジェクトの中では最大級の爆弾だと思うんですよ。

 

 彼女たちがお話として我々の目に映るためにはスクールアイドルというアイデンティティが必要だと思うんですよね。それ故に、そのスクールアイドルという属性を失う可能性をちらつかされると、ファンとしてはめちゃくちゃドキッとするわけです。スクールアイドルであることが彼女と私たちを繋ぐ、無くてはならない要素であるから。

 

 ところで当の本人はこの言葉をやけになって言っただけなのか、というとそうではないんだろうなと思います。*2

 

 やっぱり、大会で勝たなければ可可ちゃんの夢が途絶えてしまうことを懸念したんだろうなあと。表面的にはちゃちゃを入れ合っていても、いざ可可ちゃんが帰国するかもしれないとなったら本気でそれを阻止しようとする。自分の望んだ世界を諦めることになっても(もう愛でしょこれは)。

 

 そしてこういったすみれちゃんの思考は全て自分に自信が持てないことが原因になっているんだろうなあ、とは思うのですが、仲間の今後を大きく左右すると知ってしまったら誰でも不安になるだろうなとも思うのです。

 

 それに対して可可ちゃんの「あなたのスクールアイドルへの想いはそんなものなのですか!」

 

 これってドライな世界であれば正しいとは思うんですよ。大会に負けて可可ちゃんが帰国してもすみれちゃんはスクールアイドルを続けることができるし、なんなら初めてのセンターを今叶えられる状況にあるわけで。今スクールアイドルを辞める理由は無いはずだし、むしろ可可ちゃんはそれを望んでいたのかもしれません。*3

 

 それでもすみれちゃんが返した言葉は「勝たなきゃいけないんでしょ!!」だったと。自分の望みより可可ちゃんを優先したわけで。もう愛でしょこれは。

 

 でもだからといってスクールアイドルへの想いをすっぱり切り捨てられるわけでもないんだろうなと。そういう葛藤の末に肩を震わせながら絞り出したのがあの言葉で、色んな感情が抑えきれなくて、それが涙になって溢れていたように感じました。

 

 最終的には可可ちゃんの想いがすみれちゃんに届き、ようやくセンターに立つ覚悟を決めたわけですが、先に述べたように可可ちゃんの今後を左右するという状況は変化しないままなんですよね。

 

 そういう想いを抱えたままのステージはやっぱり緊張するだろうし、後悔が残りかねない場面だと思うので、良い結果が出ることを祈るばかりです...

 

 

ティアラのこと

 ノンフィクション!!披露後、ステージ上ですみれちゃんがティアラを外して手のひらで抱えるシーンがありました。

 

 このシーンで一瞬ティアラを見つめているような描写があって、いや~良いなあと思っていました。

 

 ティアラを頭に付けたまま「ありがとう」でも良かったとは思うのですが、ティアラを抱えて「ありがとう」だと、可可ちゃんが衣装作りに掛けた時間と労力と、すみれちゃんに託した想いを感じ取っての言葉になっているような気がするんですよね。

 

 ところで、このすみれちゃんが可可ちゃんの今後を左右し得るという関係性は、スクールアイドルを続けるために1位を目指そうとしたクーカーの関係性ととても似ているんですよね。

 

 今回の予選の結果が芳しくなくとも、最高のステージができたから...という風にすみれちゃんが思ったりするのかなあと。最後のステージ上での笑顔にはそう思わせてくれるものがあった気がしました。

 

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嵐を呼ぶちぃちゃんダンス(おまけ)

 さて、お久しぶりの誰得ダンス解説(?)コーナー。

 

 今回の千砂都ちゃんのダンスはごりごりのブレイクダンスでしたね。

 

 まず最初はトップロックというブレイクダンスの基本のステップです。

 

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 そしてその次はウインドミルという大技で、これはブレイクダンスに馴染みがない人でも知っていたりするんじゃないかなあというぐらい有名な技です。そして最後はバックスピンからのピースで締めでした。

 

 で、前回の千砂都ちゃんのダンスシーンでも言っていたことなのですが、ダンスの描写がとっても丁寧で感動的なんですよね。

 

 ウインドミルって頭と腰の位置関係がとても大切で、基本的に頭より腰の方が地面から遠くないと回れないのですが、そのあたりがしっかり描かれているんですよ。

 

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左の半分逆立ちのような状態からウインドミルに入る方法をNewYorkStyleと言ったりします。ここまで綺麗に入るのはなかなか難しいよなあと思ったり。

 

 で、1つ不思議でたまらないのが千砂都ちゃんのお団子ヘアなんですよね。ウインドミルをする時は頭を地面に付けるかスレスレの状態でキープするんですが、お団子のままやるなんて千砂都ちゃんやばすぎます。普通はニット帽を被ったりしてなるべく頭の周辺を滑らかにしようとするのですが、お団子のまま回るのはワイルドすぎます。痺れました。

 

 それから、ブレイクダンスをやっている人が厚手のパーカーを着ているイメージが一般的には強いんじゃないかな、と思うのですが、実際ウインドミルをする時には分厚くて滑りやすい上着を着る人が多いです。肩とか肘とか腰を地面に強打しがちなんですよね。特に下手な時期は。

 

 ところがどっこい、千砂都ちゃんはノースリーブでしかも超薄着なんですよ。いや、ワイルドすぎんだろ...

 

 まあ、それだけウインドミルが上手なんだと思います。本当に上手な人は無傷でできてしまうので。

 

 でも、これだけ上手になるまでにはやっぱり下手だった時期もあったはずで、痣を作りながら何度も何度も練習していたかと思うと、千砂都ちゃんのダンスに対する並々ならぬ想いが感じられると思います。自分は怪我が多いことが原因でブレイクダンスを辞めてしまったので、千砂都ちゃんの努力には頭が上がりません。

 

 それから最後に1つだけ。始まりは君の空のMV中に、2番サビの直前で千砂都ちゃんがジョーダンという、これまたブレイクダンスの技を披露しているので良かったら見てみてください。

 

 

さいごに

 さて、「チェケラッ!!」なんていうふざけたタイトルと次回予告映像からはネタ回かなあ~とか、あっても最後に次回への布石があるぐらいかな~と余裕こいてた私ですが、いざ蓋を開けてみるとクソデカ感情爆発回でしたと。

 

 てっきり第4話ですみれちゃん回は終わったと思い込んで、最近くうすみ推して来てるな~などと抜かしていたのが全部回収されてひっくり返りました。

 

 こうなると可可ちゃんのお話がまだもう一つあるだろうなあという気がしてくるし、帰国問題も結局答えがでないままでしたね。

 

 次回はタイトル的にエモ回だろうなあという雰囲気だし、映っていたホールがなにやら見覚えがあるんですよね。3次元での最初のリリイベの会場とも良く似ているのは偶然かはたまた...

 

 それでは今回はここまでにいたします。最後までご覧いただき本当にありがとうございました。ではでは。

*1:やっぱり本番のステージは普段とは違う力が湧いてくるのもまた事実かなあと思っています。今まで磨いてきた自分たちの表現を見せつけてやろうという強気な姿勢や、多くの観客が自分たちを注目している(と思う)ことで生まれる高揚感など。

*2:というか私がドキッとさせられただけなのは悲しいのでそう思わせて。

*3:可可のことを気にしてスクールアイドルをやってほしくない、という発言はそういう意味なのかなあと。