ねっちりとした今日までの時間

ラブライブ!シリーズやその他のことについて書こうと思います

「Maze Town」の話

 こんにちは、ネッチです。

 

 今回はA・ZU・NAの楽曲「Maze Town」について書いていこうと思います。

 

 一応、ファンミに向けての記事でもありますが、まあ発売当初からちゃんと向き合わなければと思っていた歌詞でもあるので、この機会にと思いまして。

 

迷い続ける魂

 この曲は七変化ユニットと称されるA・ZU・NAが歌っている曲だけあって、これまでのA・ZU・NAの曲とはガラッと雰囲気が変わっている印象がありますね。

 

 そうなると、この曲を解釈する上では、メンバーやA・ZU・NAそのものに付随する物語を軸にするというよりは、この曲固有の舞台設定を考える方が良いんじゃないかと思います。(しずくちゃんがメンバーだし。)*1

 

 で、今回は「A・ZU・NAの3人はとある館を守る幽霊3姉妹を演じている」という前提*2の上で、次のぶっ飛び設定を考えてみようかなと。

 

  • 館を彷徨う魂=A・ZU・NAのライブで床になった(心を奪われた)オタク
  • 3姉妹は館=A・ZU・NAのライブ会場にやって来るオタクの心を次々に奪っていく
  • 心を奪われたオタクと3姉妹が館で永遠に踊り続ける

 

 急になんだと思われたかもしれませんが、割とアリなんじゃないかなあ…というのが今回のお話。

 

 ライブに行くオタクがしばしば「骨は拾ってください」とか「ライブ会場に墓を立てておく」とか言ってるわけですが、正にそういうイメージとMaze Townの歌詞の繋がりを感じてしまったんですよね。

 

 また、ここでは「館=ライブ会場」としていますが、これはA・ZU・NAという概念そのもの、言い換えればオタクがA・ZU・NAの曲を聴こうとして意識をA・ZU・NAに傾けていくその場所という風にも捉えられると思います。

 

 まあ、ファンミも近いので、今回は分かりやすくライブ会場をイメージしようと思います。曲一回一回の再生毎に概念上ライブが開催されていると言ってもいいでしょう()

 

 

時も命も飛び越え

 ここからは、上の解釈をより具体的にするためにいくつか歌詞を追っていこうと思います。

 

来たみたいね 重い扉の奥で

その時を待ってる

 

 まずこれは3姉妹がライブ会場にやって来たオタクを待ち構えていたわけですね。「その時」というのは「永遠の舞踏会」のことでしょう。*3

 

いつまでも 繋がる

永遠 なんてない

そんなの 誰が決めた

時も命も飛び越え 信じよう

 

 「永遠なんてない、そんなの誰が決めた」という感じで一続きで読むと、3姉妹は永遠はあるんだ!と考えていることが分かると思います。

 

 「時も命も飛び越え」というのは、床になり魂となったオタクはもはや時間の流れも生死もある意味超越した存在であるわけだし、3姉妹自身も幽霊ですのでピッタリな歌詞になっていると思います。

 

Maze Town Maze Town 逃れられないわ

迷い続ける 幾多の魂

何千もの雨風乗り越えて

守ってきた

 

 「逃れられないわ」という言葉からは、魂に逃げさせるつもりは無いよという3姉妹の意志が読み取れると思います。オタクはA・ZU・NAからは逃れられないわけです。

 

 しかもその束縛は何千もの雨風=A・ZU・NA(あるいはオタク)にとっての困難を乗り越えて続いてきたものである、と。困難というと、色々想像はできますが、分かりやすいところで言うと2ndライブでの無観客開催という無念、といったところでしょうか。

 

大切なもの 壊さぬように

足音に耳澄ます

そこにいるのは 誰?

 

 「大切なもの」。今まで築き上げてきた思い出など。皆さんとA・ZU・NAあるいは虹ヶ咲との思い出って沢山あると思います。

 

 「そこにいる」のは、館に足を踏み入れようとする新規オタクでしょうか。二度と戻れない迷宮へ ようこそ

 

 

永遠の舞踏会

 さて、2番以降の歌詞については基本的には1番と同じ設定が適用できると思いますので、ぜひこれまでを念頭に曲を聴いてもらえればな、と思います。

 

 で、ここでは付け加えておきたい部分だけ取り上げます。

 

今蘇る 彷徨うタマシイ

 

 「蘇る」に対するイメージとしては、これまでにA・ZU・NAの虜になりお亡くなりになったオタク達が、A・ZU・NAのライブの日に復活するという感じかなと。

 

 なので、昔からの虹ヶ咲のファンにとっては館に足を踏み入れたオタクというよりか、この今蘇るタマシイの方に該当するかもしれません。まあ、古参のオタクも初めて館を訪れた瞬間はあるわけなので、明確に区別する意味はあまりないですが。

 

境界線 曖昧に溶け出してく

 

 「境界線」については、生と死の境界をイメージしています。それが曖昧に溶け出すということは、魂と館に眠る屍が合わさり復活する、ゾンビ的な感じです。

 

 ライブ中の自分は突然泣き出すバケモノ同然だし、的を得た表現かもしれません(爆)

 

Shall we dance?

わたしと 永遠に踊り続けましょう

 

 「永遠に踊り続け」は、復活したオタクとA・ZU・NAがライブでぶち上がり、その瞬間を永遠に続けましょう、と誘われているわけですね。

 

 

The Night Before

 さて、ここではファンミ「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会
UNIT LIVE & FAN MEETING vol.3 A・ZU・NA 〜The Night Before〜」ありきの解釈を1つ。

 

 今回のファンミのタイトルが「The Night Before」。日本語では「前日の夜」という感じでしょうか。

 

 で、その”前日の夜”にオタクの魂と肉体が蘇るんじゃないかな、と思うわけです。そして翌日の朝にフォルクロア ~歓喜の歌~が歌われるんだろうなあと。「生まれてきてくれて、ありがとう!」と。

 

 なので、Maze Town→フォルクロア ~歓喜の歌~の順で披露されれば解釈一致なわけですが、そうじゃなかった場合が怖かったり。こうだと思い込まないようにしようとは思っていますが果たして…

 

 

さいごに

 Maze Townにライブ会場を重ねると、「ライブという一瞬を永遠に続けましょう」と誘いかけてくるA・ZU・NAの歌に聞こえてきて、ずっと続けばいいのにといつも思っているオタクの気持ちを代わりに叫んでくれているように思えるんですよね。

 

 それでも現実は無慈悲なもので、終わりの時間はやって来るんだろうなあ、と。

 

 テーマパークにも閉園時間があるように、ずっと続いてほしい時間はいつか終わりが来るし、次の日からは学校やら仕事やら家事やらに飲み込まれていくわけです。

 

 そう考えると、このMaze Townという曲は「この楽しい時間がずっと続けばいいな」というテーマを、とってもユニークにA・ZU・NAらしく表現したものになっているなあと思うわけです。

 

 それから、3姉妹がこれまで守ってきた大切なものについては忘れちゃいけませんね。普通にエモいこと歌っていると思うのでここも推しポイントです。

 

刻んだ時間と思い出を

守ってゆくから

 

 それでは今回はここまでにいたします。最後までご覧いただき本当にありがとうございました。ではでは。

*1:まあこれはA・ZU・NAに限らずどのユニットでもそういう側面はありますが。

*2:“七変化ユニット”の魅力とは――? ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会・A・ZU・NA(上原歩夢役:大西亜玖璃、桜坂しずく役:前田佳織里、優木せつ菜役:楠木ともり)「Maze Town」リリースインタビュー – リスアニ!WEB – アニメ・アニメ音楽のポータルサイト

この記事での以下の前田さんの言葉を参考にしています。

前田 古い屋敷を守る幽霊三姉妹の歌と聞いていたので、しずくちゃんというよりは、しずくちゃんがその物語の登場人物になりきっているという解釈で歌いました。

*3:これは落ちサビ前の

Shall we dance?

わたしと 永遠に踊り続けましょう

を意識しています。