ねっちりとした今日までの時間

ラブライブ!シリーズやその他のことについて書こうと思います

劣等感と笑顔の旅

 2022年のすみれちゃんの誕生日。おめでとう。高校1年生としての誕生日はもうやって来ないし、高校2年生としての誕生日がまたやって来るかどうかは分からない。当たり前だけど、当たり前じゃなくなっている世界だから。1つずつ積み重ねていこう。

 

 ラブライブ!スーパースター!!2期4話にて、千砂都ちゃんがスクールアイドル部の部長に就任した。誕生日にかこつけた2期途中でのまとめとして、今回はその出来事をすみれちゃんの視点から想像しつつ、最近考えていることを交えて書いてみる。

 

 部長を務めるなら当然かのんちゃん、そういった当初の雰囲気にすみれちゃんは何を思ったのだろう。嫉妬?承認?諦め?

 

 2期に入ってから新入生絡みの話題が起こると、スクールアイドルのステージはみんなで作り上げるもの、という発言がすみれちゃんから出てくるようになった。そんなすみれちゃんを見ていると、今のすみれちゃんは"ある程度"満たされているんだろう、と思えてくる。

 

 昔のように自分の存在意義・自己肯定を求めて躍起になる必要がなく、Liella!という居場所に出逢ったすみれちゃんは、その場所で夢に向かって一歩ずつ歩んで行けば良い。Liella!内で求められる姿を自認していて、「しょーがないわねぇー」と言いながらそんな自分を何だかんだ愛している。だから、かのんちゃんが部長に推薦されることを比較的すんなり受け入れたのだと思う。

 

 とはいえ、何のわだかまりもなく受け入れたのか。描写が無い以上考えても仕方がないとも言えるが、僕がすみれちゃんの立場なら、ほんの少し羨ましく思ってしまう。ほんの少し。*1

 

 当のかのんちゃんは部長を積極的に引き受けようとはしなかった。結果的に千砂都ちゃんがかのんちゃんから推薦され引き受けたわけだが、この出来事を知らされたすみれちゃんを想うと、僕は何となく身に覚えがあるような気分になった。

 

 本人にやる気があるかないかに関わらず、選ばれる人間がいる。対して自分は選ばれない星の下に生まれた人間。そんな客観的事実があるわけでは決して無いが、思わずそう感じてしまう。「才能」の2文字が頭をよぎる。1期4話を見るにすみれちゃんはそういう事を感じていたタイプなのだと思う。

 

 すみれちゃんが部長をやりたがっていたかどうかは分からないが、部長に推薦されるかのんちゃんと千砂都ちゃんを見て、住む世界の違いを意識させられるような、そんな事を僕は2人に対して感じてしまった。

 

 劣等感。スーパースター!!では色んなシーンで描かれているように思う。1期生の”才能”を目の当たりにした2期生。中学生のウィーンちゃんに敗れた6人のLiella!。夢を語るきな子ちゃんを眺める夏美ちゃん。実力不足を告げられた2期生。「揺らぐわ」もそれを良く表現している。

 

 人間生きていればいつかは何かの場面で選ばれる、それぞれにそれぞれのランウェイがある、と僕は信じている。でも、一体どうして、自分が選ばれた事はなかなか思い出せないのに、選ばれなかった事は直ぐに思い出せてしまうのだろう。

 

 隣の芝生は青い、とはよく言ったものである。

 

 でも、隣の芝生がいつも青いからこそ、何度も歩み出せるのかもしれない。選ばれなければ選びに行けば良い。*2いつまでどこまで歩くのか、分からないけれど、まだまだ進まなければと思える。

 

ゆるぎないものをずっと探してる
「ここにいるよ」って言える 自信が欲しいの
勇気のカケラ/嵐千砂都

 

 その一方で、たまに思うことがある。疲れたなぁ、と。自分の全てを諦めるつもりなど更々ないのだが、1日くらい、1週間くらい、休んでみたい。でもそんなことをしている暇なんてない。いまこの瞬間にもどんどん時が過ぎ去っていくというのに。疲れた足でまた一歩進む。

 

 そんな疲れた僕の背中を押してくれるのはやはり人なのだな、と常々思う。その人に自覚がなくても僕は救われている。だから人との繋がりを大事にしたい、と改めて思う。

 

いっぱい笑おうってさ 歌おうってさ 伝えたいから
まだまだ遠くへ行こう
追いかける夢の先で/Liella!

 

 伝えることで結ばれる。そして、伝えたいから遠くへ行くのである。一緒にここに骨を埋めよう、ではない。そこから見ていて、でもない。真なる意味で分かち合い結ばれるためには伴に歩むしかなかろう。

 

 ともすれば、遠くへ行かずに笑うことはできるのかもしれない。自分の王国をどっしり構えて、城壁で囲って、そうやって一生を終えることだってできるのかもしれない。自分とてある程度歩いてきた道のりがあるし、王国の中であれば自分は王様でいられるのかもしれない。ほら、""多様性""の時代だしさ。攻め込まれる事なんてそう無い。

 

 それでもLiella!は遠くへ行こうと言うのである。まだまだ、まだまだ、まだまだ遠くへ。笑うためではない。いっぱい笑うためである。ずっと、夢を追いかけながら。

 

 

 

 じゃあ夢が叶ったら?

 

 

 

 

 

 

 叶った夢の先にはまた夢がある。そしてそれは素晴らしいことなのだ。いっぱい悔しいことを経験しながら、息を切らしながら、逃げたくなりながら、でも逃げられなくて、何度も揺らぎながら、やっとの思いで夢を叶えたその先には、次の夢が待っている。夢が潰えたとしても、次の夢が待っている。息苦しくなるほどに果てしなくて、それでいて素晴らしいことなのだ。What a Wonderful Dream!!

 

手が届く夢の先の夢を 今は追いかけたい
諦めないよ 諦めないよ
君にも分かってるよね
追いかける夢の先で/Liella!

 

 分かっているとも。

 

 選ばれない自分や才能の無い自分のこと。ふとした瞬間に何故か思い出してしまう。それは城に籠もらず旅を続けているからだと、いま分かった。

 

 そう思うと不思議なことに、劣等感というのも悪くない気がしてきた。劣等感は自分が歩き続けている証拠だから。そして進むべき方向を教えてくれるから。

 

なんでもできそうなあの子も
いつも笑い絶やさないあの子も
迷いながら 戸惑いながら
きっと夢をみてる
私のSymphony/Liella!

なんでできないのかな その気持ちが鍵さ
What a Wonderful Dream!!/Liella!

 

 すみれちゃんとペイトンさん、そしてLiella!はこの先どんな道を行くのだろう。そして僕はどんな道を行くのだろう。迷い戸惑うことばかりだけれど、手をつないでおけば怖くないから、これからも笑顔でね、さあ進もう。

 

追いかける夢の先で 僕はどこへ向かってくんだろう
出会いの中で また迷うけど
それさえ楽しんでみよう
追いかける夢の先で/Liella!

 

 

*1:2期8話で生徒会長を諦めていなかったことが分かったしなおさらね。

*2:
選ばれなかったなら 選びにいけ
ただひとつの栄光
オンリーロンリーグローリー/BUMP OF CHICKEN

Liella!で言うなら、
今からこの手でつくるのワンダーランド
ノンフィクション!!
追いかけんだ 自分なりのスーパースター
スター宣言
など